私は都内の大学に通う22歳の女子大生です。現在4年生で、就活では無事に内定をいただくことができました。しかし、私のまわりには、まだ何人か就職先が決まっていない学生がいます。そんな就活でつまずいた学生のほとんどが、「インターンシップを経験しておけば良かった」と話しています。
今回は私が白衣を着て奮闘したインターンシップ体験記を紹介します。
私は大学のキャリアセンターを通して、3年生の夏季休暇に大手エステサロンのインターンシップに応募しました。理由は、私が大学2年のときにエステで脱毛を経験したことがきっかけで、女性の肌をキレイにしてくれる企業に興味を持ったからです。
また、脱毛の施術を受けた際はカーテンで仕切られた個室に入るためわからなかったのですが、エステサロン全体ではどれくらいの人が関わっているのかを知りたいという理由もありました。つまり、いまいち全体のイメージをつかみづらい美容業界で、就業体験をしたかったのです。
さらに、先輩の話によると、このエステサロンはユニホームとして使用しているスカートタイプの白衣をインターンシップの学生にも貸与してくれるそうなのです。清潔感の象徴でもある白衣を着て、仕事を特別体験することが私の憧れでした。
そして、応募後は抽選や面接もなくスムーズに進行し、本社とエステサロンの店舗でインターンシップに参加できることが決まりました。
インターンシップ初日は、恵比寿にある本社で、秋にオンエアするCMの試写会議に参加させてもらいました。初日でありながら担当社員の方からは、「CMをよりよいものにするために、どんどん意見を言ってね」と言われたのです。
いきなりの本格的な業務内容に、私はドキドキでした。会議は4パターンのCMを観たあとに、それぞれが意見を述べるという流れです。短い時間のCMで、どうやったらコンセプトが正確に伝わるのかというテーマで熱い意見が飛び交っていました。
CMではスカートタイプの白衣をキレイに着こなしたタレントが、脱毛に関する情報をわかりやすく説明するシーンばかりが目立っていましたが、この会議を通してひとつのCMが完成するまでには、タレント以外にもたくさんの人が携わっていることを学ぶことができて良かったです。
会議終了後には、店舗で着用する白衣の採寸が行われました。せっかくの清楚な白衣も、サイズが合わずにぶかぶかだったり、つんつるてん状態だったりでは台無しです。まず上半身は、肩→胸囲→背中の幅→腕の長さの順でチェックしてもらいました。
肩は肩線(肩の横幅がいちばん出ている部分)と、白衣の肩幅をぴったり合わせるのではなく、指1本くらい入るゆとりがあると美しく見えるそうです。そでは、インナーのシャツが見えてしまわないかどうかも合わせてチェックされました。
背中部分は肩甲骨まわりに横ジワがよると、タイトな証拠だそうです。鏡を使って自分で確認すると、ちょうどいいサイズの白衣とそうではない白衣との違いが明確でした。白衣のスカートは下着のラインが目立ってしまうリスクがあるので、ウエスト部分に手のひらを出し入れできる余裕があることが重要だそうです。
そしてスカート丈は、“座った状態”と“立った状態”のダブルチェックが行われました。担当者と一緒に鏡を見ながら、座ったときに短すぎないかを確認しました。立ったときは、ひざにちょっとだけかかる丈感がポイントだそうです。
「インターンシップの学生が、短い丈の白衣を着ると、悪目立ちするので要注意だよ」と担当者から言われました。
2日目からは、新宿にある店舗でエステティシャンのお手伝いです。入社4年目の方が、私のトレーナーとして優しくサポートしてくれました。最初に「これに着替えてね」と言われて渡されたのが、憧れだったスカートタイプの白衣です。
昨日の念入りな採寸のおかげで、私にはちょうどいい1着が用意されていました。そして、この白衣を着ると、一つ一つの所作に気品を感じさせなければならないという気持ちになりました。インターンシップの期間中で、ちょっとだけですが清楚な女性に近づけたような気がします。
エステサロンの店舗に立つときは、ヘアスタイルや爪の長さ、白衣の着方やストッキングの色など、とにかくチェックが厳しいんです。エステティシャンの間で定番となっている「夜会巻き」と呼ばれるヘアアレンジは、意外と難しいんですよ。
身だしなみだけでも、たくさんの心配りがされていることに私は感動しました。何だかエステティシャンのキレイの源を垣間見たような気がします。次に、お客様へのお辞儀の仕方を練習して、いよいよサロン業務のスタートです。
まずは、おしぼりの作り方や、どこの棚にどのタオルを補充するかを教わりました。白衣を汚さないように店内を動きまわるのは、意外と難しいんですよ。さらに、カウンセリングの練習もしました。他のインターンシップの女子学生をお客様に見立てて説明するのです。
練習の場では、プランや商品の内容に関してだけでなく、「脱毛したら、水着を着る日が待ち遠しくなりますよ」などのセールストークもレクチャーされました。
3日目以降は、実際に受付に立ってお客様の案内をしました。この店舗は、平日でも1日に100人以上のお客様が来店されるのです。こまかい気配りをしながら、一人一人のお客様を笑顔でお出迎えしました。受付に立たないときは、白衣の清潔感を保ちながらタオルを補充したり掃除をしたりと、陰ながら奮闘します。
ほとんどが立ちっぱなしの業務なので、大変な部分もありましたが、エステティシャンの方々がとても優しいので、和気あいあいとインターンシップの期間を過ごすことができました。そして、最終日にはトレーナーの方から「白衣姿が板についたね。
よく働いてくれて、ありがとう」と言われたのです。私もこのスカートタイプの白衣をとても気に入りました。インターンシップの期間中は、本社でもエステサロンでも、社員の方々が「大丈夫?」「わからないことない?」などとたくさん声をかけてくれたことがとても嬉しかったです。
そして、エステティシャンの方々は「笑顔がすごく素敵だなぁ」と感激しました。私も美容業界に就職することが決まったので、社会人になった際は、いつも笑顔でがんばりたいと思います。また、これから白衣を着る機会がある方は、インナーが透けないように、肌色のものをチョイスすることをオススメします。
さらに慣れないうちは、何かと冷や汗をかくかと思うので、ワキパッドなどの汗対策機能があるとベターですよ。